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第31話 内通者の行方

مؤلف: フクロウ
last update تاريخ النشر: 2026-03-26 19:00:25

 私は表情を隠すと一歩、前に出て王子の横に並ぶ。

「大臣、失礼ですが知りたいのは、どの情報でしょうか?」

 ノルドマンは、鼻息を出すと手に持っていた紙をゆっくりと広げた。

「だから王子の出立の時間だ。予定が早まったようだな? 明後日の早朝、西門より出立とあるが、勝手に決められては困る」

 ……出立の予定は王に告げたあの日から何も変わっていない。一週間後だった。つまり、ノルドマンが言っているのは私が内通者を騙すために用意した完全に、偽の情報。

 私は、王子の方をちらっと見ると、ほんのわずかに口元を緩めた。

「……なるほど」

 ノルドマンの目が、鋭く細められる。

「なにか問題でも?」

「いえ。問題はありません」

「ほう? なら、なぜ勝手に予定を─
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  • 一度王子を殺した秘書官、今度こそ愛を誓います   第21話 未知の未来

     王子と別れたあと、私はすぐにフリーダを探した。フリーダは、王子にあてがわれた一室で呑気に紅茶を飲んでいた。 「ゆっくりしている場合じゃない、フリーダ」  フリーダは露骨に嫌な顔をする。 「予定通り、アヌ国へ一週間後。……そこで王子が襲われる」 「あんたね、また肝心な情報を言ってないじゃない」  ため息をつきつつも、その目は鋭く窓の外を見た。 「今日ので止められると思った。咎人を捕まえて、それでおしまいだと。でも……このままだと前と同じ流れになる。護衛は少数のまま。アヌで――」 「マリク王子が襲われる」

  • 一度王子を殺した秘書官、今度こそ愛を誓います   第20話 王子の仕事

    「各国への訪問の日取りはこのままで、と考えています」 場がざわついた。口々に反対意見が述べられる。「我が国を除く8カ国、そのうち特に隣国〈アヌ〉はすでに準備を進めているはず。我が国が襲撃を理由に日取りを遅らせれば、アヌ国の人々に影響を及ぼす可能性があります。それに、襲撃があったからという理由で揺らいでしまえば、それこそ他国に付け入る隙を与えるようなものです」 みんなの動揺を鎮めるように、王子は落ち着いた穏やかな声で理由を話した。

  • 一度王子を殺した秘書官、今度こそ愛を誓います   第19話 怒りのにじむ口調

    「大臣。それくらいにしておいてはどうか?」 国王の声に私は、はっとした。しかし、大臣は止まることなく話を続ける。「国王。こういうことはきちんとしておかなければ。王子はこの後、各国を訪問する予定なのですよ? こんなことがあったとわかれば我が国の信用も失墜してしまいます。日取りも検討し直さなければなりませんな。やはり、政《まつりごと》に女を関わらせるなどするべきではなかったということでは?」 大臣はあごを上げると、わざと馬鹿にする視線を私に向けた。だけど、私は耐えるしかない。悪いのは……私なのだから。 私は気づかれぬように拳を握りしめた。「ノルドマン。その発言は、ティナを秘書官に任用し

  • 一度王子を殺した秘書官、今度こそ愛を誓います   第18話 残る手の感触

     王子を守っていた町民に扮した近衛兵が、王子の命令でさっといなくなりそれぞれの任に当たる。「……なに、ボーッとしてるのよ? 王子の手の感触を楽しんでるの?」「はっ! 失礼な! 今、動くところだ!」 頭を手のひらでゴシゴシと触ると、後ろを振り返る。やらなければいけないことは山ほどある。まずは、被害の確認と補償の手配、それから秘書官として報告書の作成となによりも今回の咎人の急襲を調査しなければいけない。「あっ、マリク王子! 私もほめてください! 最後のフォヴォラをたおすきっかけは私が作ったんです! 王子を守るために……」 しらじらしい顔をしてわずかに頭を下げるフリーダ。バカな……王子が

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